第4章 及川さんと彼女
そして、俺が3年になった時
なんとなくで入学式に参加した時、澪を見かけた
別に最初は可愛くて美人で穢れを知らない子だなって感じだった
それから数週間経って、1年の仮入部期間も終わり、その日は1年との顔合わせ
練習後、それは突然だった
自主練中、俺が体育館の入り口近くで休んでいると、横から声がした
『すみません、』
その声はとても可愛いらしかった
「何〜?及川さんに用事…」
いつも通りの態度でその方向を見て驚いた
その声は入学式のあの子だった
名前も知らない子
『あの、とび…影山くんいますか?』
笑顔で俺に聞いてくる
かげやま?あー、さっき教えてくれってきてた子か…
俺は体育館内を見渡してみた
「んー、ここにはいないね。」
とか、言いながら営業スマイルを振りまいた
『そうですか、ありがとうございます。では失礼しますね。』
一礼して体育館を出ようとする
「え?」
思わず声が出ちゃった
さっきの俺の営業スマイルは無視⁉︎
目を見開いてその子を見つめた
『? …顔に何かついてますか?』
「いや…、俺を何とも思わないの?」
『…?』
しまいには苦笑いされた
「いや、だって普通女の子だったらさ、キャ〜!及川さんカッコいい‼︎ってなるんだよ⁉︎」
って俺何言っちゃってんのよ
彼女の顔は困り果てていた
これが、彼女との出会いだった