第3章 影山と彼女
影山はごめんと謝って彼女の手を自身の頭から下ろした
そして、彼女はこう書いた
《代わりに怒ってくれてありがとう》
と
影山は少し顔を赤くした
影山
「悪い、邪魔した。帰る。
行くぞ。」
影山は鞄を持ち上げ、玄関の方へ歩いて行った
国見
「え、ちょっと待って…」
俺も急いで影山の後を追うように、鞄を手に取った
国見
「えっと…お邪魔しました」
俺が玄関の方へ走って行こうとした時、彼女に紙を2枚渡された
一つは影山宛て、もう一つは俺宛てだった
彼女は笑って俺たちを見送った
家を出た後、影山に渡されていた紙を渡した
俺も内容は見てない
影山は紙を見て、今にも泣きそうな顔して小さく呟いていた
そんな影山を見るのは初めてだったけど、影山そっちのけで、俺ももらった紙を見た
そこには、電話番号と、メールアドレスそして、小さく“過去のことは気にしなくていいよ”と書かれていた