第3章 影山と彼女
つい口を滑らせてしまった
国見
「なんでそこまで及川さんのこと嫌ってるわけ?」
言ってからそう思った
影山は鋭い目つきで俺を睨んだ
影山
「あの人は、澪支えるって、守るって言ったくせにっ‼︎結局は苦しめて裏切ったんだ‼︎‼︎それなのに澪を傷付けてもまだ彼氏振ってるのが許せねぇ‼︎‼︎」
そう俺に向かって叫んだ
国見
「か、影山落ち着け…」
影山
「いや、分かってんだ…1番ムカついてるのは自分に対してなんだって。」
俺の一言で落ち着いたのか一気に潮らしくなった
影山
「及川さんに目、つけられた時に守っていればとか、及川さんに澪のこと何も言わなかったら良かったのにとか、俺が支えになっていれば良かったのにとか……」
影山が言い終わった時、ふと視線を感じた
その先には彼女がいた
彼女は座っている影山の隣に立って、頭を撫でた
影山
「澪…」
影山は黙ってされるがままで、そのまま彼女を見つめていた
そして、彼女が口を動かした
その時、一瞬声が聞こえたような気がした
『ありがとう』って…