第2章 音符
出会いはなかった。
中学校に入れば運命の出会いがあると思ってた。
「なかった!!!!!!!!!」
「どうしたの?竹ちゃんそんな大きな声出して」
私は、苗字からとって竹ちゃんと呼ばれることが多かった。
小学校の頃からの友達はおっとりした女の子で、私とは一切似通った所のない性格だ。
クラスのほぼの男子に恋愛感情は湧かなかった。
ましてや隣の席の奴は私より10㎝もチビ。
(名前は……)
「叶う…多い……?」
「カナタ、って読むの、難しいよね!!俺、松田叶多。よろしくね!!」
声の発信源はチビ。予想よりも元気で明るい男の子だった。
「おいおい、こっちだけ自己紹介かよ!!」
「あっ、そか。マイ、竹田舞です。よろしく!!」
話しやすい人だなって思った、でもやっぱり
「運命の人じゃないな~~だってもっと背が高くて、ちょっとクールで…」
お風呂で独り言は日課のようなものだ。お母さんももう気にしてない。
「でも顔はまあまあかっこいいんだけどね」