第9章 流星
(ベンチコート…?)
私は急いでベンチコートから顔を出す。
「これ、羽織っときな。」
3年前と同じ……
「叶多!?」
嘘でしょ…!?
「ここに来れば、舞に会えると思った…。」
「私も、ここにいれば、叶多が来てくれるんじゃないかって思ってた。」
信じられない。
「ごめんね、待たせて。」
私は黙って首を振った。
そしてしばらくの沈黙のあと、叶多が口を開いた。
「俺ね、いくら諦めようと頑張っても無理だった。」
「やっぱり一緒に星見るのは舞じゃないといやだ。」
「え…」
「もう一回言わせてくれ。」
「舞が好きだ。」