第7章 秋の夜長
薫くんは、すごく優しい人なんだと思う。
合コンの後からは、いつも私のこと気にかけてくれて、連絡もたくさんくれる。
今日は初めて会ったカフェでお茶の約束をしていた。
「舞ちゃん」
優しいその声に私は振り向いた。
そういえば中学生の時に思い描いた“運命の人”はこんな感じだったかも…
(もしかして、薫くんが私の運命の……)
前までのいじわるな薫くんはもういなくなってた。
すごく面白くて、優しくて、一緒にいて心地よかった。
「ねえ舞ちゃん、俺すごく舞ちゃんのことが好きだよ。付き合ってほしい。どう?」
その言葉はすんなりと心の奥まで入ってきた。
叶多はもう私のこと何とも思ってないだろうし、この出逢いを信じてみても良いのかな…?
「よろしく、お願いします。」
私たちの恋が始まった。