第5章 ビターチョコレート
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私は久々の休日に果夏、咲由と渋谷でぶらぶら買い物していた。
「こういう女子高生っぽいことしてるとなんか嬉しいなー」
そういう私に咲由は
「え、なんで、こういうことあんまりしたことないの?」
という。
だって今まで男に囲まれ育ったのだ。
上にはお兄ちゃん、下には弟。
学校に行くとほとんどの時間叶多と過ごす。
当たり前だろう。
(叶多、彼女とかできてるのかな……)
最近そういう心配ばかりだ。
自分からフったくせに、今さらになってちょっと気になる、なんて最低なのはわかってる。だから、この気持ちは塞いでおく。
渋谷のきらびやかな道を進んでいると、前から男の人が一人で歩いてくる。
スラッと長く伸びた脚、8頭身くらいのスタイル、きれいに整った顔立ち、お洒落な服装
(モデルさんみたい……)
まっ先に目がハートになったのは果夏だ。
咲由もタイプみたいだ。
彼との距離がどんどん近づいていき、すれ違う
「あれっ?」
確かにそういったのは彼だった。
バッ!!と嬉しそうに果夏と咲由が振り向く
「舞ちゃん…だよね??」
え、私?
果夏と咲由は落胆する
「だ、誰ですかっ」
私は戦闘モードに入る。
「あはは、身構えないでよ、こわいなあ。」
そう言ってきれいな顔がくしゃっと笑いかけた。