第4章 ミルクチョコレート
『今って空いてる?』
LINEを開くと叶多からだった。
『空いてるよ~~、どうしたの?』
『日付見ればわかるだろ笑』
あっ、そっか今日は
『ホワイトデー!!!!』
『今から向かうから!』
『はいよ~~』
まって、
部屋着!!!!!!!!!!
叶多の家から私の家まで徒歩40秒。
大急ぎで着替えるとギリギリ間に合ったみたいだ。
玄関先で、叶多が少し高そうなミルクチョコレートをくれた。
「うわぁ…ありがとう!!」
「舞の手作りお菓子美味しかったから、それに負けないくらいのお返ししなきゃね。」
素直に嬉しかった。
(自分なりに…じゃなかったんだ♪)
「あ、そうだ。ちょっとでもうち上がってけばいいのに。ここ寒いしさ!」
叶多は少し止まって、
「あ、ちょっと用事があってもう帰るんだ。」
「そうだったの、ごめんね長話しちゃって!これ、ありがとね!!」
そう言って玄関の方を振り向いてドアに手をかけた。
「あ、まって、」
冷たい風がびゅうと吹いた
「?」
私は振り向く
「俺、舞のこと好きになった。」
「え、」
言葉がでない
「返事はすぐにはいらないから、じっくり考えてほしい。」
嬉しくないわけじゃなかった。
ただ、
そういう関係になるっていう想像が
どうしてもできなかった。