第3章 ふたご座
中学校生活も残り少なくなってきて、冬の始まりを告げる風が吹く。
「もうすぐ受験だ……」
勉強なんてしたくもないしノートすら開きたくない……
受験勉強に追い込まれていった私たちはその頃から、グループ通話しながら勉強する“電勉”にハマっていた。
「舞」
「おい、舞」
「おーーーい」
「舞、起きろって」
「まーーーーいーーーーー」
ん?
叶多の声が聞こえる。
「ふあっ!?!?!?!?!?」
「変な声出すなよ、やっと起きたな。」
叶多は鼻で笑って返した。
…………………………やってしまった。
そういえば昨日の夜叶多と電勉してたんだった…電話切らずにお互い寝ちゃったんだなこれ…………。
「びっくりしたよ、俺も寝ちゃって、起きたら通話の画面がついててさ!」
叶多のが先に起きたんだ、
ん、まって、
「舞、寝息たてて寝てたし、いくら呼んでも起きないから、家まで起こしに行ってやろうかって思ったよ。」
叶多はそう言っていたずらっぽく笑った
「寝息とか………サイアク………………」
「え、可愛かったから大丈夫だよ」
またそう言って笑う。
「そういう問題じゃないから!!!」
「あはは、ごめんごめん」
可愛いっていう言葉に、素直に照れてた自分がいたことに驚いた。