• テキストサイズ

キセキの黄瀬のキセキな想い【黒バス】

第3章 黄瀬の「せ」は誠実の「せ」…?



意を決して、チャイムを押す。

なんだか、やたらドキドキしてくる。


お母様が出たら、最高の笑顔、最高の声でご挨拶!
最初の印象が何より大事だ!

お父様でも同様、詩音ちゃんにはオレしかいないと思わせるスペックは充分あるはず。
娘を想う父親の厳しい目がなんのその!



キンチョーするな。

笑顔だ。


笑顔で乗り切れ。




『はい』

「!わっ、わたくし、き、黄瀬と申しましゅが…!」


押してからしばらくの間が空いた為か、突然のインターホン越しの声に驚いて、変な声が出た。


それにどもった。


しかも噛んだ。




最悪だ。





『…涼太くん?』

オレの大好きな、綺麗な声。

声の主は詩音ちゃん本人だったようだ。


いや、どっちにしても情けない声聞かれてオレ超恥ずかしいんですけどね!



『急にどうしたの…?あ、ごめんね、すぐ開けるから』

プツリとインターホンが切れて30秒ほど後に、詩音ちゃんがドアを開けてくれた。


私服の詩音ちゃんマジで可愛い。

キョトンとした顔もマジで可愛い。


胸がキューっと締め付けられた。

なんだか、久しぶりに会う気がする。
…いや、絶対にそんなことはないんだけど。
「会えない」と言われたのは、つい一昨日のことだ。


それだけ、彼女のことをずっと考えているんだ。


「いきなりだからビックリしちゃった。中、入って。お茶入れるね」

突然の訪問にも関わらず、詩音ちゃんは笑顔で迎え入れてくれた。

けど、絶対思っているはずだ。
「なんで家の場所を知ってるのだろうか」と。


思い返してみれば、彼女の学校を突き止めて話し掛けたときもかなり驚いた顔をしていた。


…キセキの皆に言われた「ストーカー」という言葉が頭の中をぐるぐるしていた。


もし詩音ちゃんにもそう思われていたら、どうしよう。


誰に何を思われてもいい。

ただ、彼女だけには、嫌われたくはない。


本当に、オレはキミが大好きなだけなんだ。
/ 15ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp