第2章 黄瀬の「き」はキモいの「き」!
ザマァミロと楽しそうに笑う青峰っちを睨みつけていると、隣にいた黒子っちが怪訝そうな顔をした。
「でも、鎖骨って…キスマークって普通そんなとこつけます?首筋とかならよく聞きますけど」
「ハ、ハレンチなのだよ黒子!」
顔を真っ赤にする緑間っち。
貴重だ。
というか、黒子っちがそういうことを口にするのが意外だった。
「つけた奴がただの変態なだけじゃないのー」
やる気ないくせに口を挟まないでほしいッス、紫原っち!
「鎖骨に…キスマーク……痣、か」
ぼそりと呟いた赤司っちは、オレを見上げる。
(あ、これ嫌味じゃないからね!)
「もしかしてその跡は、左の鎖骨になかったか?跡も普通のキスマークより少し大きめ…そうだろう?」
「え?…確かにその通りッスけど…なんで…」
オレがそう答えると赤司っちは口角をあげ、不敵に微笑んだ。
「そんなに浮気を心配しているのなら、彼女の家にでも行ってみるといい。お前の懸念など無意味だったとわかるだろう」
皆が頭に目に見えるほどのクエスチョンマークを浮かべているというのに、
赤司っちは「さぁ、練習再開だ」と素知らぬ顔。
……………え。
なんで赤司っち一人が納得して終わるんスか!!!
で、なんで誰も何も突っ込まないんスか?!!
いや、オレも赤司っちにあれこれ言いたくないけど…
こうなったら、赤司っちを信じて、明日詩音ちゃんの家に行ってみるしかない。
赤司っちの言うこと、全然わからなかったけど
このまま一人で悩んでいても、何も解決しないとわかったから。
大丈夫、大丈夫!
赤司っちが言うんだから、大丈夫!
「僕の言うことは絶対」なんですもんね!!?
「……よし!」
気合を入れる為頬を両手で軽く叩く
と、ちょうど
飛んできたバスケットボールが顔面に当たった。
「早くしろ、涼太」
……ホントに信じて、大丈夫ッスか…?