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Happy Flower~幸運をあなたに~【刀剣乱舞】

第2章 新しい私



「なみ、大翔行ってくるわね」

「うん、お父さんお母さん行ってらっしゃい!!」

「大翔、なみとお留守番お願いね」

「わかったよ、父さんと母さんも気を付けて」

バタン

玄関のドアが閉まる。

「お兄ちゃん、ゲームしよう!」
「そうだね、今日はなににする?」
「うんとね・・・」


「お父さんとお母さん、遅いね?」

Ruuuuuuu
Ruuuuuuu

「はい、もしもし」
兄が電話に出る。
なにか話しているようだったが、私は気にせずゲームの続きをしていた。

「わかりました」
電話を切った兄が、私に声をかける。

「これから、叔父さんと叔母さんが迎えに来るから、出かける準備をして」

「今から?」
なんで叔父さんと叔母さんが迎えに来るの?
よくわからないまま、出かける準備をする。
ほどなくして、玄関のチャイムが鳴った。


ここはどこ?病院?

「ねえ、お父さん?お母さん?、どうして目を開けてくれないの?」

「なみちゃん、お父さんとお母さんは天国に行ってしまったの・・・」
涙ぐみながら、叔母が私に話しかける。

「天国?なみを置いて?」
まだ幼かった私は、意味が分からず兄の方を見る。

兄は、ギュッと拳を握りしめたまま、ベットの上で眠っている両親を見ていた。
そんな兄を、私はただただ見つめていた・・・。


***************************


目を覚ますと、窓の外から鳥のさえずりが聞こえてくる。

「朝か・・・」
私は、そう一言つぶやいて起き上がった。

久しぶりに見たなぁ・・・

10歳の時に両親を交通事故で亡くした。
行ってきますと言って出て行った両親が、もう二度と帰ってくることはなく・・・兄と私は、叔父の家に引き取られた。
叔父と叔母は優しい人で、私達兄妹は、何不自由なく愛情をたくさん注いでもらった。
中学高校と、友達もたくさんできて楽しい毎日を過ごした。
兄は「普通の人生を」と何度も言っていたが、私は高校卒業と同時に兄と同じ道に進んだ。

審神者という道を・・・・。




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