Happy Flower~幸運をあなたに~【刀剣乱舞】
第4章 春の嵐
驚いている刀剣達を横目に、私は兄の部屋に入って行く。
足元には、まぁいろいろなタイトルの雑誌やDVDが散乱しているが、特に気にせず机の上に出来上がった書類を置いた。
「お兄ちゃん、書類ここ置いておくね。一応目を通しておいてよ?」
まだ固まっている兄にそう伝えると、私はかがんで近くにある雑誌をパラパラめくる。
いろいろなジャンルの雑誌があって、ちょっと見ているのが楽しくなってくる。
すると兄が
「なみ、お前平気なのか?軽蔑したりしないのか?」などと聞いてくるから、今度はこちらがびっくりしてしまう。
「軽蔑?どうして?何か悪い事しているの?」
私が雑誌をめくりながら答えると
「いや、その・・・」と言ったきり黙ってしまった。
もちろん、他の刀剣達も黙ったまま私の方を見ている。
「いやいや、これって普通の事じゃないのかな?異性に興味持たないとか逆に気持ち悪いでしょう?男の人なら当たり前の事だろうし、全然問題ないと思うけどな」
と、持っていた雑誌を横にいた三日月に渡して立ち上がった。
その言葉に、その場にいた全員が安堵の表情を浮かべる。
「ねえ、なみちゃん。こういう本とかDVDとか見たことあるの?」と安定が聞いてきた。
それに対して私は
「うん、あるよ。でも、そういうプレイはやったことないけけれど」
と舌をペロッと出して私は答えたのだった。
「なみ!それはどういう・・・」
兄が詳しく聞いてこようとするので
「はい、邪魔者は退散します!ごゆっくり~」
と言って、私は部屋を後にした。
私がいなくなった部屋では、兄を含めそこにいた全員が
「なみ(なみちゃん、なみ様)が・・・」となぜか複雑な気持ちでいたことなど、私は知る由もなかった。
廊下を歩きながら
「そう言えば、鶴丸や一期はどんなのに興味あるのかな・・・長谷部とか・・・短刀達(一部は除く)はないとして、結構気になるかも。今度、みんなに聞いてみようかな?」
そんなことを思いながら、私は自分の部屋に戻ったのだった。