第13章 中忍試験〜はじまり〜
「失せろ」
男の刺すような視線に全く怯まずサスケがそう吐き捨てると、その言葉に挑発されたのか男は口角を吊り上げ逆に煽り出した。
「おいガキ、降りて来いよ!一丁前に女連れか?いい御身分だな、おい!」
ニヤニヤといやらしく歪む表情でリエを見るその目は、まるで値踏みをしているようだった。
そんな男の態度にサスケの眉がピクリと上がる。
「オレはお前みたいな利口ぶったガキが、一番嫌いなんだよ!」
そう言うと男は背負っていた不気味にも包帯が巻いてある人の高さほどある何かを降ろした。
男の後ろで控えていた金髪の女は、それを見るなり慌てた様子で止めに入る。
「おい、カラスまで使う気かよ!?」
今まで手は出さなかったが、止めもしなかった女。
彼女が慌てて止めに入る代物。
“カラス”
武器か、なんらかの忍具か。
どちらにせよ、女の態度から危険なものと安易に推測出来る。
しかし煽られて黙っているほどサスケはクールではない。
敵前逃亡など、許せないだろう。
リエの瞳が不安に揺れる。
止めるべきか、否か。
いや、そもそも自分に止められるのか。