第12章 波の国〜告白〜
大事な家族で
誰よりも近い友達で
でも、それだけじゃない
サスケに対する特別な気持ちがずっとあった。
それが何なのか、よくわからなかったけれど
今ようやく、その気持ちの正体に気付いた。
「サスケ、私…サスケが……」
溢れる出る想いを上手く言葉に出来なくて
それでもちゃんと伝えたくて。
なぜか溢れてきた涙をこらえる為、リエはぎゅっと目を瞑った。
「サスケのことが……!」
しかしリエの言葉は、最後まで紡がれることはなかった。
サスケの唇が、リエのそれをふさいだのだ。
突然のことに驚いたのかリエの身体が一瞬強張ったが、それもすぐに解け
一度唇を離し、お互い目を閉じてそっと唇を合わせた。
しっとりとした柔らかい感触がサスケを酔わせ、何度も琢むようにリエの唇を味わう。
息の仕方がわからなくて苦しくなったのか、リエが小さく声を漏らした。
それが妙に色っぽくて、サスケの背筋がぞくりと震える。
((やべぇな……クセになりそうだ))
実際はほんの数秒だったのかもしれない。
それでも、二人にとってはとても長い時間に感じられた。
名残惜しさを残すようにサスケがそっと唇を離すと、急に恥ずかしさがこみ上げてきたのかリエの顔はみるみる真っ赤になり、今にも湯気が出そうなほどだった。
そんな彼女が、たまらなく愛おしい。
「…リエが好きだ。ずっと前から、オレはお前だけを想っていた」
きっぱりとそう想いを告げるサスケの強い瞳から、リエは目がそらせなかった。
「オレはまだ未熟だ。今回のことで、それが身に沁みてわかった……。でも、オレは強くなる。もっと、ずっと強くなってみせるから。これからもオレが必ずリエを守る。何があっても」
サスケの言葉が、リエはただ嬉しかった。
彼の想いを知ったぶん、今までよりもその言葉の意味が重い。
そして自分の言葉の重さも、今までとは違う。
「……私も、もっと強くなる。サスケの力になれるように。それに私も、サスケを守りたいから。…大好きだよ、サスケ」
誓いを立てるように
もう一度二人はキスを交わした。