第12章 波の国〜告白〜
二週間後。
怪我も完治し、波の国から木ノ葉の里へ戻る日がやってきた。
七班のメンバーは穏やかな木漏れ日の中、二つの墓に供え物をして冥福を祈っていた。
「でもカカシ先生」
墓を前に、サクラが問う。
「忍者の在り方って、やっぱり道具みたいなものなのかな」
自らの欲望の為、雇い主の依頼で刃を振るっていた再不斬。
再不斬に全てを委ね、自ら道具として使われることを望んだ白。
どちらも任務という名の戒めに逆らえず、儚く散っていった。
ナルトは二人を想う。
「本物の忍者になるって、そういうことかなぁ。……なんかさ、なんかさ!オレってば、そんなのヤダ!」
カカシは二人の部下の質問に対して眉を下げた。
「忍ってのは自分の存在理由を求めちゃいけない。ただ国の道具として生きるものだ。 …それは木ノ葉も同じだよ」
マニュアル通りのカカシの答えに、今度はサスケが疑問を投げつけた。
「……アンタも、そう思ってんのか?」
その声は、心なしか冷たく感じる。
「んー……だからさ、忍者って奴は皆、知らず知らずそのことに悩んで生きてるのさ」
ややあって、ナルトは蒼く抜ける空に、声を張り上げた。
「よし、決めたってばよ!オレはオレの忍道を行ってやる!!」
ナルトの言葉にカカシは少し驚き、そして満足そうな微笑を浮かべた。
リエとサスケ、そしてサクラも同じくそれを心の奥で誓ったのであった。
空は晴天。
抜ける風は心地よく。
出来たばかりの“ナルト大橋”は
今日も行商人で賑わっている。