第11章 波の国〜想い〜
どうやらサスケは軽い仮死状態になっていたようだ。
サスケにうたれた千本は、どれも致命傷にあたる急所を寸でで外していた。
サスケの秀でた力であっても、白の攻撃全てを回避出来るとは到底思えなかった。
そして白には優れた人体知識があったという。
それをふまえると……
「あいつ……初めから……」
サスケも同じことを思ったのか、そうぽつりと呟いた。
真相は今は亡き彼しか知らないが、
リエは心からの感謝を胸に秘めた。
サスケを助けてくれて本当に有難う、と。
その後、残っていたガトーの部下が数に任せて皆を取り囲んだが、ついに勇気を取り戻した島民達によって助けられ、
部下が怯んだところをナルトとカカシの影分身ではったりを利かせ、追い払うことに成功した。
危機は完全に回避された。
ガトーは死に、橋は守られた。
そして島民達は希望と勇気を、もう一度手にしたのだ。
失うものも多かったこの戦いにも、幕は下りようとしていた。