• テキストサイズ

青い果実【NARUTO】

第11章 波の国〜想い〜




『それじゃぁ、いい子にしているんだよ』

その言葉を最後に、帰って来なかった父。



『リエ……………別れだ』

手を差し伸べて希望を与えてくれたイタチは、
もうひとつの大事な家族を奪い、里から姿を消した。





今のリエにとって、
サスケだけが大切な家族であり、

かけがえのない

愛しい人だった。




サスケだけは失いたくないと

サスケだけは、ずっと傍にいてくれると

そう思っていたのに。





「……サスケ……」





父親を思い出して泣いていたリエに
『オレは、お前を置いて死んだりしない。
独りになんかさせない』
と約束してくれた。


どんなに小さな約束でも、サスケはきちんと守ってくれた。


だからきっと、今回も。





「サスケ……お願い……
目を、開けて………」




サスケの手に、リエの涙が零れた。
















ーーー温かい。オレは……生きている?
……リエ?泣いているのか?
お前には……笑っていてほしいのにーーー





「……ぅ……リエ……?」

「…!サスケ……!!」

サスケはまだ霞む視界でリエの姿を捉えた。

薄くだが目を開けたサスケに、リエの瞳からさらに大粒の涙がこぼれ落ちる。

「サスケくん…サスケくん、サスケくん!」

感極まってサスケに抱きつき泣き続けるサクラの隣で


リエは困惑するサスケの手をとったまま、静かに涙を零した。


/ 354ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp