第11章 波の国〜想い〜
一方その頃。
サスケ達は再不斬と、そして仮面の少年・白と対峙していた。
サクラは依頼人の護衛を努め、
カカシは再不斬を、そしてサスケは白を相手にする。
「秘術・魔鏡氷晶!!」
白が得意とする、水と風の性質変化を組み合わせて氷を作り出す氷遁忍術で作り出された氷鏡が、サスケの周りをぐるりと囲む。
白は吸い込まれるように氷鏡の中に消えた。
直後、サスケの絶叫が響く。
「ぐああああぁっ!!」
続けざまに届くサスケの悲鳴に、サクラはいてもたってもいられなくなった。
「……タズナさん、ごめん。少しだけ離れるね…」
サクラはタズナにそう断ると、クナイを構えサスケの元へと足を向けた。
武器だけでもとクナイを投げつつ助力するが、氷鏡からずるりと現れた白が難なくそれを受け止めてしまった。
サクラの表情が青ざめる。
折角つくった機会が、こうもあっさりと破られてしまうとは。
だがそのとき、仲間は現れた。
サクラが投げたクナイを奪う為鏡から実態を現した白に、数枚の手裏剣が迫る。
そしてその一枚は彼の頭部を掠め、白は攻撃の反動で鏡から放り出された。
「うすまきナルト!ただいま参上!!」
「ナルトくん、登場が派手すぎだよ……」
ナルトが意気揚々と、そしてその後ろから控えめにリエが現れた。
ナルトの登場の仕方は、もはや忍のそれではない。
案の定、再不斬はカカシの隙をついてナルトに手裏剣を放った。
リエがそれに気が付きクナイで叩き落とそうとしたのだが
「……!!?」
皆目を疑った。
再不斬の攻撃をいなしたのはリエでも、ナルトでもない。
白の千本だった。
「再不斬さん、この戦いはボクの流儀でやらせてください」
「手を出すなってことか……相変わらず甘いヤローだ…お前は……」
そう言いつつも、再不斬は要領を得たようだった。