第11章 波の国〜想い〜
「いっくぜーー!!!」
サスケとリエの静止も虚しく、意気込んだナルトが不利なはずの氷鏡の中に自ら入ってしまい、中からサスケの怒声が聞こえてきた。
チッと大きく舌打ちし、サスケは氷鏡の隙間から見えるリエに向かって叫ぶ。
「リエ!お前はサクラと一緒に依頼人を守っていろ!」
「えっ?でも、外からも攻撃した方が効率が」
「大丈夫だ、なんとかする!行け!!」
サスケに強くそう言われては、仕方がない。
息の合わない連携は、かえって危険にもなるのだ。
リエは頷き、白がつくりだした霧の中にいるサクラ達を探しに走っていった。
この白という男は強い。
一対一ですでにボロボロの状態な自分には、今リエを守れる程の余裕がない。
だから、リエに戦わせるわけにはいかない。
リエが傷つく姿など、見たくない。
そんな思いから、サスケはリエに、一番安全でありそうな依頼人の護衛をするよう言った。
リエも、サスケが身を案じて戦いの場から遠ざけたことはわかっていた。
それでも、自分の力が必要とされていないことが寂しくて、悔しかった。
自分はまだまだ未熟ではあるが、サスケと同じ木の葉の忍であり
仲間なのに。