第11章 波の国〜想い〜
翌朝。
「じゃ、ナルトとリエを宜しくお願いします。ナルトは特に限界まで体を使ってるから、今日はもう動けないと思いますんで」
カカシ達はイナリの母にまだ眠るリエとナルトを任せ、タズナの警護の為橋へと向かった。
ナルトは木登りの修行でチャクラを使い果たし、
そしてリエも過剰な修行のせいで疲労が溜まり倒れてしまい、まだ目を覚まさないのだ。
((ナルトは性格上わからなくもないが、リエまでとは。まったく、自分のペースでやれって言ったのに。褒められてよっぽど嬉しかったのか……可愛いねぇ))
そんなことを考えて一人笑うカカシを、サスケが不審そうに見てきた。
表情には出さないが、サスケはリエを心配しているのだろう。
タズナの家が見えなくなってもチラチラと視線をやり気にしているのが、カカシには手に取るようにわかった。
((サスケもホント、わかりやすいねぇ……))
青い果実 11
「ん………?」
リエが目を覚ますと、そこには誰もいなかった。
隣に敷いてあった布団は畳まれており、同室のサクラの荷物もない。
「……あれ?」
急いで着替えを済ませて部屋を出ると、慌てて向かいの部屋から出てきたナルトと鉢合わせた。
「リエちゃん!なぁなぁ、カカシ先生もサスケもいないんだけど!」
「サクラちゃんもいないの……ねぇ、私達もしかして……」
「「置いていかれた??!」」
自分達の現状を知ったナルトとリエは慌てて家を出て、彼らを追いかけたのだった。