第10章 波の国〜修行〜
「それはそうと、再不斬へのあの一撃はなかなかのものだったぞ。成長したな、リエ」
「本当ですか?!嬉しいです。もっともっと、頑張ります!」
本当に嬉しそうに笑うリエが可愛くて、カカシは何度も彼女の頭を撫でる。
柔らかい髪が心地よかった。
((……もしかしてはたから見たら俺ってロリコンに見られちゃったりするのかね…?))
まぁそれでもいいけど、と思った次の瞬間。
修行を終え帰って来たサスケがカカシに飛び蹴りをくらわしてきた。
リエに害のないようにはしたものの、彼女が吹っ飛んだらどうするつもりだったんだサスケは。
それにわざわざ屋根に登って来てまで、なんたること。
全く男の嫉妬は醜いものだ。
カカシはいつもクールに装っている彼が見せた子供らしさに、つい笑ってしまった。
数日後、カカシの全快と時を同じくして、サスケとナルトの修行も完了した。
橋の完成も間近。
それが完成すれば貿易が復活する。
その結果は、国を潤すのだ。
しかし再不斬もまた、大刀を構え襲撃に備えていた。
仮死状態から回復した体は、血に飢えている。
カカシという名の、獲物の血に……。