第10章 波の国〜修行〜
タズナの家から少し離れた森の中。
七班メンバーは修行の為、全員で集まっていた。
まだ体調が万全でないカカシは、松葉杖をついて指導に当たる。
「では、これからチャクラコントロールの修行を行う」
青い果実 10
カカシは各自を見据え概要を説明した。
「お前らはまだチャクラを使いこなせてはいない。バランスやコントロールが未熟だから効果を発揮しきれないんだ。それが未熟だと無駄なエネルギー消費をしてしまい、長時間の戦闘も不利になってしまう。そこで」
彼は周りの木々に視線を移す。
「命を張って体得してもらう。……木登りで」
「木登り~!?」
盛大な声で不服気にナルトが叫ぶ。
サクラもサスケも、納得のいかない様子だった。
「まぁ聞け。ただの木登りじゃない。まぁ見てろ」
そう言ってカカシは手近の木に登っていく。
手を使わず、垂直に。
その姿に、四人は唖然とする。
「……とまぁ、こんな感じだ」
枝に逆さに立ちながら、カカシは言った。
「チャクラを足の裏に集めて、木の幹に吸着させる。足の裏にチャクラを集めるのは最も困難とされている。しかも木登りに必要なチャクラは極めて微妙。
つまりこれを体得すれば、理論上はどんな術も習得出来るって訳だ」
忍がチャクラを練るその殆どは戦闘中。
いついかなる状況でも正確なコントロールと力の分配をするバランス、さらにそれら全てを含めた持続力が求められる。
それは思うよりずっと厳しく、非常に困難なことなのだ。
「まぁ体で覚えてもらうしかないけど」
こうして、四人のチャクラコントロールの修行が始まった。