第9章 波の国〜鬼人〜
仮面の少年が去った後、四人の下忍達は意気消沈していた。
無理もない。
年の変わらぬ先ほどの彼は、たかが千本であの再不斬を仕留めたのだ。
自分達は束になっても、カカシを助けることしか出来なかったのに。
恐ろしかった。
再不斬も、仮面の少年も。
そしてサスケとナルトは憤慨した。
己が未熟さを痛感したのだ。
しかしカカシは言う。
「お前らより年下でオレより強い者もいるんだ。それが忍だ」と。
「ハハハ!皆超すまんかったのぉ!ワシの家でゆっくりしていけ!」
タズナは気まずい雰囲気を打ち消すように、わざと明るく振舞った。
年の功だろう。
その言葉によって、皆の心は少し軽くなった気がした。
意外な方向で締めくくられたとはいえ、タズナの家まであともう少し。
タズナと七班は、旅の続きに足を戻した。
が、しかし。
カカシがふらりとふらつき……
「カカシ先生!!」
倒れるカカシを、咄嗟にリエが受け止める。
カカシは極度の疲労で昏倒してしまったのだ。
大人一人の重さに耐えられずよろめいたところを、サスケが支えてくれた。
「先生、大丈夫ですか?」
「ん~…ちょっと力使いすぎちゃったみたい。……でもリエがこのまま抱きしめてくれたら回復するかもネ」
「寝言は寝て言え!!」
サスケに蹴りを入れられたカカシは大人しく彼に背負われ、一行はタズナの家へと向かった。