第8章 波の国〜出発〜
今目の前に迫る敵襲にサクラとナルトが悲鳴を上げている。
「二匹目…」
ゆらりと、ナルトの背後に敵が迫った。
敵は二人。
左右片方ずつ鎖で繋がっていて、その手を大きく振りかざし、血塗れの鎖はナルト目掛けて容赦なく放たれた。
…が、しかし。
その場で我を失わず、瞬時に臨戦状態へ身を移せた者がいた。
サスケである。
サスケは勢いよく飛び上がると手裏剣で宙を舞う鎖を近くの木に繋ぎとめ、間髪入れずにそれをクナイで固定する。
そのまま身動きの取れない二人の刺客の腕に降り立ち、反動をつけて顔面を蹴り倒した。
しかし刺客もそのままでは終わらない。
鎖を自身から放し、息もぴったりにナルトの脇をかすめてタズナの元へ突進する。
「おじさん、さがってぇ!!」
懸命に強張る身体を動かし、サクラがタズナの前に立ちクナイを構えた。
そのサクラの前にサスケが現れ、向かってきた敵と対峙したとき。
変わり身で無事だったカカシによって刺客は拘束された。