第8章 波の国〜出発〜
任務を受けてから一時解散し、各々準備をすませてから里の正門に集合することになった。
初めての里外任務に、リエは楽しみを隠せない。
サスケもようやくマシな任務がもらえたと嬉しそうにしている。
「たまにはあのウスラトンカチも役にたつんだな」などと珍しくナルトを褒めていたくらいだ。
バタバタと準備に勤しむリエに対し、サスケはすでにお茶を飲みながらリエの支度が終わるのを待っていた。
「でも、Cランク任務かぁ…ちょっと緊張しちゃうね」
「心配するな。オレがいるだろ。何があっても、お前はオレが守ってみせるさ」
不安気に呟くリエを安心させるようにそう言ったサスケの優しさが、リエはとても嬉しかった。
「…ありがとう、サスケ」
カカシ班は全員が集まるとすぐに門を出て、依頼人タズナの国、波の国へと向かう。
初めて里を出る新米、サスケ以外の三人は浮き足立っていた。
道中、カカシが四人の部下に外国の話をしてくれた。
里から彼らが出るには通行証が必要な為、ほとんど他国の情報がないのだ。
「ま、Cランク任務で忍者対決なんてしやしないよ。気楽に構えてればいい」
カカシのその言葉にサクラもリエもホッと息をつく。
ふと、視界に入る景色に違和感を覚えた。
リエが気になったのは水溜りだ。
ここ最近雨は降っていない。
その証拠に、その水溜りがある以外道はぬかるんでもいないし、雨粒ひとつすら残っていない。
それなのになぜあそこにだけ、あんなものがあるのだろうか?
「……先生、あの」
何かあるのかもしれないと思い、カカシに声をかけたと同時だった。
「……一匹目」
その低い男の声にあわせて、最後尾を歩いていたカカシの体が切り刻まれたのだ。