第6章 超難関試験…!?
カカシと共に集合場所に戻ると、既にサスケとサクラ、そしてナルトがふてくされた顔で二人を待っていた。
しかもナルトはなぜか丸太に縄でグルグル巻きに縛りつけられている。
その姿は、なんとも哀れだ。
「さて、この演習についてだが。ま!お前らはアカデミーに戻る必要もないな」
カカシがにこやかにそう言うので、皆心から喜んだ。
次の言葉を聞くまでは。
「ナルト、サクラ、サスケ……お前ら三人、忍者をやめろ!」
カカシの口から発せられた非情な結果に皆息を呑んだ。
脱落ではなく、やめろとは。
なぜそこまで言われなくてはならないのか。
一番戸惑っていたのはリエだ。
なぜ自分だけ名を呼ばれなかったのかわからない。
自分だって鈴はとれなかったのに、なぜ?と。
「じゃぁさ、じゃぁさ、なんでリエちゃんだけはいいんだよ!!」
リエが思っていることを、ナルトが言ってくれた。
「リエだけがこの試験の本質に気づいていたからだ。無意識に、みたいだがな。お前ら、忍者をなめてんのか。あ?!何のために班分けをして演習やってると思ってる」
四人はカカシの問いかけの答えがよくわからず、黙っていた。
「ったく……この試験の合否判断は……チームワークだ。リエは皆で力を合わせようと提案した。が、お前らはそれを全く聞き入れなかった。四人でくれば…鈴を取れたかもな」
しかしカカシの言葉には矛盾がある。
そもそも四人で三つの鈴を取り合わねばならないという課題は、仲間割れをしろと言っているようなものだ。
だがカカシの真意はそこにあった。
”利害に関係なくチームワークを優先できるもの”
任務は個人プレイではない。
チームワークを乱せば、仲間を危険に陥れることにもなる。
忍の任務は常に死と隣り合わせなのだから。