第6章 超難関試験…!?
サクラのものと思われる悲鳴が聞こえリエがそこへ向かうと、道の真ん中でサクラが泡を噴いて倒れていた。
外傷がないことから、おそらく幻術でも見せられたのだろう。
「……大丈夫かな」
心配だったがあまり時間もないので、サクラを安全であろう木陰に移動させてから、リエは他のチームメイト探しに走る。
次に見つけたのはサスケの……首。
最初は驚いたが、土遁で体を埋められたのだとわかると逆に感心した。
カカシに忍術を使わせるまで追い込んだということだろうからだ。
「サスケ…すごいね」
リエの言葉の本当の意味には気付くことなく、サスケは頬を染めて「見るな」とぶっきら棒に言う。
サスケにしてみたらこんな格好悪い姿をリエに見られたくなかったのだ。
サスケでも歯が立たないのなら、リエ一人ではあの上忍から鈴を取れるわけもないことは明らかだった。
「ね、サスケ。私じゃ役に立つかわからないけど……一緒に鈴取りにいかない?」
「……ここから出るだけでも時間がかかる。昼まで時間もそうないし、とりあえずリエだけでやってみろ」
またも断られてしまったリエは言われた通りサスケをそのままに、仕方なく一人でカカシを探した。
カカシはすぐに見つかった。
というより、リエの前にわざわざ出てきてくれたという感じだった。
「やぁリエちゃん。俺から鈴、とれそう?」
にこにこと笑顔でそう尋ねてくるカカシ。
わかっているくせに、とリエは思う。
「……先生は意地悪です。私一人じゃ、とても無理ですよ。サスケにもナルトくんにもふられちゃいましたし……」
リエは昨日のサスケの言葉を心の中で反復する。
『自分のベストを尽くせばいい』
そのとおりだ。
もし今回失敗してしまっても、それも自分に課せられた課題だと思ってもっと頑張ればいい。
逆にこれは与えられたチャンスなのだ。
上忍を相手に戦えるなんて、今の自分には願ってもないこと。
そう思ったら余計な力が抜けた。
逆に、ワクワクしてきたのだ。
「でも…だからってあきらめません。全力でいきます!」
そう言い終えると同時に、リエは地を蹴った。