第6章 超難関試験…!?
最初に仕掛けたのはナルトだ。
「スタート」を合図に皆がすぐに隠れたのに対し、ナルトは忍にあるまじき行動に出た。
カカシの正面に立ち正々堂々の勝負を仕掛けたのだ。
いつの間に習得したのか、八人もの影分身をつくりカカシに襲い掛かったが……見事に惨敗。
本を読んでいるカカシの相手にもなっていない。
挙句にはバレバレの罠にかかり、木にぶら下がる始末だった。
その場から離れたサスケとサクラを追いかけたのか、カカシもその場から立ち去る。
カカシの気配を感じなくなってから、リエは木に吊られているナルトの元へ行き、彼の足にかかっているロープをクナイで切った。
「ナルトくん大丈夫?」
「あ、ああ。サンキューリエちゃん」
「ナルトくんのさっきの術って影分身の術だよね。すごいねナルトくん、そんな高度な術使えるなんて。ねぇ、皆で協力したら、もしかしたら鈴取れるかも……」
「オレってばこんな罠にかかっちまうなんて!くっそ~!次は負けねーぞ!」
協力を提案しようとしたリエだったが、彼女の言葉も聞かず憤慨しまナルトは走って行ってしまった。
その後ナルトはまた似たような罠にかかってしまうことになるのだが……
一人残されたリエはどうしたものかと迷っていた。
アカデミーを卒業したばかりの新米が、鈴取りとはいえ上忍相手に一人で挑むのはどう考えても無謀だ。
サスケほどの実力があれば望みもあるかもしれないが、リエには体術しかない。
その体術も、上忍相手に通用するものとは思えない。
ナルトのように実体化の分身でも出せれば作戦の練りようもあるが、それも出来ない。
ならばそれら可能性を秘めている者と組めば鈴を取れるのではと思ったのだが、サスケもサクラもナルトも、皆どこかへ行ってしまった。
「とりあえずは……皆を探そうかな」