第6章 超難関試験…!?
演習当日。
定時よりも随分遅れて来たカカシは、少しも悪びれた様子もなく笑顔のまま順を追って演習の概要を説明していった。
極端に説明すると、三つしかないカカシの持つ鈴を正午までに全員で奪い合う、というものだった。
さらに鈴を取れなかった者は昼食抜き。
しかも丸太に張り付けにされた挙句、カカシが目の前でその弁当を食べるらしい。
今になって四人は朝食を抜いて来いと言ったカカシの言葉の本来の意味を知った。
素直に朝食を抜いてきた四人のお腹の虫が小さく鳴った……気がした。
青い果実 06
そして演習終了時までに条件をクリア出来なければ、任務失敗とみなされてアカデミーに逆戻り
……というわけだ。
「手裏剣も使っていいぞ。俺を殺すつもりで来ないと取れないからな」
お前らでは相手にもならない。
カカシのそれは、そう公言されているのと同じだった。
「でも!!危ないわよ先生!!」
サクラの言葉は正論だ。
いくら上忍とはいえ、敵でもない人間に刃物を向けること自体にも抵抗がある。
当然彼らはまだ死や殺しに直面したことはないからだ。
「そうそう!黒板消しもよけれねーようじゃ、本当に殺しちまうってばよ!!」
しかし鼻先で嘲るようにカカシは笑うナルトを挑発した。
「世間じゃさぁ……実力のない奴に限ってほえたがる。ま…ドベはほっといて、よーいの合図で……」
ドベという言葉が頭にきたのか、ナルトがいきなりクナイを取り出しカカシに斬りかかる。
が、しかしカカシは構えた右手の反動を使って、そのままナルトの後頭部にクナイの切っ先を向けた。
息ひとつ乱れさせず、ナルトは敢え無く取り押さえられてしまった。
「そうあわてんなよ。まだスタートとは言ってないだろ」
目で見えないほどのスピードに皆が驚く。
実力の違いを一瞬で思い知らされた。
これが上忍かと、サスケの額に冷や汗が流れる。
それでもやらなければいけない。
でなければ、アカデミーに逆戻りなのだ。
こうして厳しいサバイバル演習が始まった。