第5章 第七班
一通りの自己紹介を終え、カカシは四人に今後の任務について話し始めた。
「まずはこの五人だけであることをする。サバイバル演習だ」
「なんで任務で演習やんのよ?演習ならアカデミーでさんざんやったわよ!」
サクラがそう突っ込む。
皆同じ気持ちだった。
なぜ今更アカデミーの講義と同じことをしなければならないのか。
里には幾多の依頼が来ているのに、わざわざそんなことに人員を割くのはおかしな話だ。
しかしカカシは四人を見て続ける。
「相手は俺だが、ただの演習じゃない。卒業生二十八名中下忍と認められるのは多くても十名。残りは再びアカデミーへ戻される。この演習は脱落者六十六パーセント以上の超難関試験だ!」
その言葉を聞き、四人は絶句した。
それを見てカカシは「あ、引いた」と笑っている。
笑い事ではないとリエは焦っていた。
ただでさえ落ちこぼれに近い成績だったのを必死で頑張って卒業できたのだ。
それを今更、戻れだなんて。
ナルトがカカシに抗議しているがカカシは笑ってかわしている。
何とも不誠実でヒドイ話である。
黙ってはいるが、サスケも憤慨していた。
「大丈夫かなぁ明日」
夕飯を食べながら、リエは何度目になるかわからないため息を吐いた。
「吐いちゃうから朝ご飯食べてくるなって。超難関って先生言ってたし……大丈夫かな」
「リエ…もう何回目だ?十回は聞いてるぞ」
サスケはリエとは別の、呆れて出るため息を吐く。
オロオロとうろたえるリエも小動物のようで可愛いのだが、今はそれを愛でている場合ではない。
明日の出来如何でこれからのことが決まる。
自分はこんなところで立ち止まっているわけにはいかないのだ。
自分には、成すべきことがあるのだから。
あの日みた赤い眼が脳裏を過ぎり、サスケはグッと拳を握り締めた。
「リエだって今まで頑張って来ただろ?自分のベストを尽くせば大丈夫だ。お前なら出来る。心配するな」
サスケの励ましを聞いて、リエも少なからず自信をもったようだ。
((…そうだよね。今更慌てたってどうしようもないもんね。今私が出来ることをすればいいんだ))
そう思ったら緊張も少し解け、その日リエは寝ずの晩を過ごさなくてすんだ。