第5章 第七班
「じゃ、次」
カカシにそう言われ、自分の番だと気付きリエは顔を上げた。
「空風リエです。好きなものはお団子で、嫌いなものは……うーん…特にないです。夢、というか目標は、強くなること。立派な忍者になりたいと思っています。よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げるリエを、カカシは顎をしゃくる様に手を添えて目を細めて見つめた。
((この子があの空風上忍の愛娘ね……))
空風テルヤはカカシの師である四代目火影の親友で、自分の師に次いでカカシも尊敬する人物だった。
その昔、テルヤがカカシの元へまだ幼いリエを見せびらかしに来ては、可愛いだろう、嫁にはやらんぞなどと笑顔で言っていたことを思い出す。
((あの頃よりさらに可愛くなっちゃって。テルヤさんもさぞ心配だろーね))
見つめていると、リエがにっこりと笑ったのでカカシも笑顔を返す。
と、すぐにサスケに思い切り睨まれた。
「私は春野サクラ。好きなものはぁ……ってゆーかぁ好きな人は……」
次に自己紹介を始めたピンク髪のくノ一の、チラチラとサスケを見て頬を染める姿に、カカシは困った風にため息をついた。
((この子は忍術よりも恋愛だな))