第5章 第七班
余計に雰囲気が悪くなってしまい、余計なことを言ったかとリエは困ったようにサスケを見つめる。
しばらく黙っていたサスケだが、そっとリエの顎に手をかけた。
目を丸くするリエに対し、サスケはスッと目を細める。
「どうしたの?」
「……今のままじゃ気分悪くて仕方ねーだろ……目、閉じろよ」
「えっ…ちょっ………」
顔を近づけてくるサスケに驚愕し、動揺と恥ずかしさからリエはぎゅっと目を瞑る。
しかし数秒の静けさの後、来たのはキスではなく、でこピンだった。
「……もうサスケっ!!」
顔を真っ赤にして怒るリエが可愛くて仕方ない。
本当は、本気でキスをしてしまおうと思った。
しかしそれでリエに拒絶でもされてしまったらと思うと、サスケには出来なかった。
((意気地がねぇな、オレ……))
そう、この数年の間にサスケはリエに恋心を抱いていた。
いや、幼い頃から抱いていたものに気付いたというべきか。
彼女の一言で、存在だけで一喜一憂してしまうほどに、サスケはリエを誰よりも大事に思い、愛しているのだ。
今回だって、リエと同じ班でよかったとサスケは心から思っていた。
リエが気付いていないだけで、彼女に好意を向けている者はたくさんいる。
自分の知らないところでリエに近づく輩がいると思うと、それだけで腹が立つのだ。
リエに手を出そうとする奴は本気で排除しようとサスケはこっそり考えていた。
サスケはクールそうに見えて、実は独占欲が強く、かなり嫉妬深いのだ。