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青い果実【NARUTO】

第32章 未来の為に



「サスケだって短絡的に行動したわけじゃなくて…色々考えて、迷って、苦しんで…それで出した決断だったんだと、思います。
ナルトくんも、サクラちゃんも…私も…皆で必死に止めてもサスケは行ってしまった…。もう私が何を言っても、何をしても…きっとサスケは自分が納得するまで意思を曲げない…あのときサスケと直接話して、そう、思いました…。
だからもう、私はサスケを無理に連れ戻そうとは、思ってないです。これ以上サスケを苦しめたくない、から…」

でも、とリエは消え入りそうな声で続ける。

「…本当はそんなの綺麗事で…無理矢理里に連れ戻そうとして彼に嫌われたり、サスケにまた拒絶されてこれ以上自分が傷付いたりするのが、ただ怖いだけなんだと思います…。
力を取り戻して、少しは強くなったような気になってましたけど…自分がここまで弱い人間だったなんて、こうなって初めてわかりました。心が弱いんじゃ、強くはなれない…。
ナルトくんとサクラちゃんは、本当に、強いです」

そう言って、リエは二人の姿を頭に浮かべた。



『リエちゃん!絶対にサスケを連れ戻そうな!約束だってば!』

サスケを追って、サスケと直接戦って、心の底からサスケを止めようとしてくれたナルト。
重傷を負い、包帯でグルグル巻きになった身体で、病院を抜け出してまでわざわざそう言いに来てくれた。

ナルトを探しに来たサクラは、病院から勝手にいなくなったナルトを叱りつけた後、真っ直ぐにリエを見つめてこう言ってくれた。

『ごめん、リエ…私、今は何も出来ないけど…何も、してあげられないけど……でも、私、頑張るから。変わってみせるから。だからリエも……諦めないで』



七班で多くの時間を共にし、助け合い高め合ってきた、大事な仲間達。

サスケと向き合うことから逃げた、弱い今の自分にはない強い意志を、彼等は持っている。

ナルトとサクラ。
彼等こそきっと、闇からサスケを救ってくれる存在だろうと、リエは信じていた。

真っ直ぐで正直で、誰よりも仲間を、友を思いやる彼等だから。
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