第5章 第七班
「おはようヒナタ。席ありがと!」
「おはようリエちゃん。ううん…うちはくん一人だったから、リエちゃんどうしたのかなって思ったよ」
「あ~……お弁当忘れちゃって、一回家戻ってたんだ」
ヒナタはリエとアカデミーからの仲良しで、何でも話し合える仲であり、リエがサスケと暮らしていることを知っている数少ないうちの一人だ。
もちろんリエも、うちはと並ぶ名家、”日向家”故のヒナタの悩みや、ヒナタがナルトを好きだということも知っている。
いわゆる親友というやつだ。
「それはそうとナルトくん、合格してたんだね。よかったね、ヒナタ」
「う、うん……」
ヒナタが、顔を赤くしながらも嬉しそうに小さく頷く。
卒業試験に一人だけ合格出来ず落ち込んでいたナルトのことをずっと心配していたヒナタからすれば、今日ここに現れたナルトの姿はさぞ嬉しかったに違いない。
親友の幸せそうな顔に、リエまで嬉しくなる。
ナルトのことを話すときのヒナタは恥ずかしがりながらもとても輝いていて、とても可愛く魅力的だ。
だがヒナタはナルトの前に出ると極度にあがってしまいまともに喋れなくなってしまう為、
リエと同じくらい鈍いナルトにはヒナタの気持ちはこれっぽっちも伝わっていないところが痛いところである。
リエが、ふとサスケに目を向けると、彼もリエを見ていたようで、バッチリと目が合った。
リエが微笑んで小さく手を振ると、サスケは一瞬困った顔になり、さらに気まずそうに眉を寄せリエから視線を外す。
サスケの謎の行動に首を傾げたリエがヒナタに話しかけられ、視線がヒナタに戻ったのを確認してから、サスケは再び視界にリエの姿を入れた。
彼の隣で絶え間なくサクラが話しかけてきていたが、サスケは一切無視を決め込んでいた。