第5章 第七班
説明会が行われる教室にはもうすでに何人か席についていて、友達同士でおしゃべりを楽しんでいた。
その顔ぶれは、アカデミーで一緒に卒業した者ばかり。
これから歩む忍としての未来に期待を膨らませ、皆嬉しそうに笑っている。
「あ、いけない!折角つくったお弁当忘れてきちゃった……台所に置きっぱなしだ」
友人の秋道チョウジが勢いよくポテチを食べているのを見て、リエがそのことに気がついた。
午後まであると聞いているのに、このままだと二人とも腹の虫を空かせることになってしまう。
「取りに帰るか?」
「うん。すぐ取ってくるね!」
「あ、おい!」
サスケの返答も待たずに、駆け足で来た道を戻っていくリエ。
自分が行く、と言う間もなく一人残されてしまったサスケは、仕方なく空いている席に座りリエを待つことにした。
二人分の弁当を持ってリエが再び教室に戻ってくると、そこはすごい有り様だった。
アカデミーで問題児とされていた、うずまきナルトが殺気立った複数の女子にボコボコにされている真っ最中で、
その隣ではサスケが口を何度も手で拭いながらものすごく気分悪そうに悶えている。
「おはようシカマルくん。あの…何があったの?」
一番後ろの席に座る奈良シカマルに声をかけると、予想だにしなかった答えが返ってきた。
「おう。なんかナルトがサスケにキスしたとかで女子が殺気だってんだ。どう見たって事故だったのによ。全くめんどくせー」
「……………ん?」
一体何がどうなってそんなことになったのか全く見当はつかないが、今はとてもサスケの傍に行けそうにもないので
(女子の集団もすごいが、彼の隣にはすでに春野サクラが座っていた、というか陣取っていたこともあり)
他の空いている席を探していると、ちょうど日向ヒナタと目が合った。
どうやらヒナタはリエの為に席を取っておいてくれたらしく、「ここあいてるよ」と言わんばかりに小さく手で合図を送ってくれた。