第5章 第七班
雲ひとつない、快晴。
陽が燦々と輝く気持ちの良いこの日が、リエ達の忍としての人生の第一歩となる。
今日はアカデミー合格者の説明会の日だ。
これから重要になる班決めや、担当上忍との顔合わせなどがある大切な行事である。
「サスケ、そろそろ行こっか!」
「あぁ」
一緒に家を出て、二人仲良く並んで歩く。
サスケが恥ずかしがるので、昔のように手をつなぐことはほとんどないけれど。
火の国の忍の象徴である木の葉マークのついた新品の額当てが、サスケの額、そしてリエの首元で誇らしげに輝いていた。
青い果実 05
わずかな人物しか知らないことだが、現在二人は一緒にリエの家で暮らしている。
それはリエから提案したことだったが、三代目火影もお互いの事情を知っているだけにすぐに賛成してくれた。
相談相手になるだけでなく色々と援助もしてくれていて、火影という立場を除いても身寄りのない二人にとっては本当に有難い存在だ。
あの日から、四年が過ぎた。
サスケは生まれ持った素晴らしい技術とセンスを伸ばし、すでにその才能を開花させている。
強くてクールで格好いいと、アカデミー時代から相変わらず女子に大人気だ(が、本人はかなり迷惑している)。
クールというのは他人の勝手な見解で、サスケはただリエ以外の人間と必要以上に関わりたくないだけなのだが。
リエは忍術はからきし駄目だったが、その分その華奢な外見からは信じられないほどに体術や手裏剣術の才能を伸ばしていた。
いつも笑顔で、何をするにも一生懸命な彼女には、隠れファンがいるらしい。
背中まであったハニーブラウン色の髪は、今では肩につかない程度まで短くなっている。
これまでに色々あったが、二人は立派に成長していた。