• テキストサイズ

青い果実【NARUTO】

第30章 涙雨



ナルトは必ずサスケを連れて帰ると約束してくれた。

手術を無事終えたリーは勝手に病室を抜け出し、ナルト達の力になるべく彼らを追っていったらしい。

綱手からは、同盟国の砂の里に応援を頼んだから安心しろと言われた。

それでも、サクラの不安は消えない。


リエのことが気になりもう一度彼女の家に行くも、相変わらず反応がなかったが、試しに扉を引いてみると鍵はかかっていなかった。

「リエ…いるの?」

中に入り、しんとした室内をそっと見て回ると、ベッドの上で静かに眠るリエの姿を発見した。

「リエ…?」

体を揺すっても反応しない彼女を見て、サクラは気付く。

「…幻術にかかってる!」

サクラはチャクラを練り、リエにかけられた幻術を解いた。


ゆっくり瞼を開けたリエはゆっくりと体を起こし、キョトンとした顔でサクラを見つめた。

「…サクラちゃん?え、なんでこんなとこに…あれ、私いつの間に寝てたんだろ…」

「…リエ……」

「ど、どうしたの?大丈夫?」

今にも泣き出しそうなサクラの顔を心配そうに覗く、リエのいつもと変わらぬ様子からわかる。

サスケは、リエに何も告げることなく去ったのだと。


チャクラコントロールが優れているリエは、幻術には特別弱くないはず。

そのリエが幻術にかけられていたということは、よっぽど幻術に長けた人物の術か、リエが全く警戒していなかったか、だ。

どちらにも当てはまる人物……

かけたのは間違いなくサスケだろう。

なぜそんなことをしたのか。

…そんなの、決まっている。

サスケはリエが自分を追ってこないように、彼女に幻術をかけ眠らせたのだ。

リエに止められたら、きっと気持ちが揺らいでしまうから。
/ 354ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp