第28章 すれ違う心
彼らが向かった先は病院の屋上だった。
白いシーツがたくさん日干しされ、風でゆらゆらと揺れている。
空を見上げれば、この雰囲気に似つかわしくないほどに澄んだ青空が広がっていた。
ナルトは木ノ葉の忍として対等に戦う証として額当てをするよう要求するが、サスケは“対等”という言葉に敵対心を露にした。
「テメェとオレが対等だと思ってんのか!?図に乗るな!目障りなんだよ!!」
「それはおめぇが弱いままだからだろ!サスケちゃんよぉ!!」
売り言葉に買い言葉、火に油を注いだナルトの発言をきっかけに、体術で始まった二人の戦いは次第に激化していく。
数え切れないほどのナルトの影分身を一掃する為サスケが豪火球の術を放つと、影分身と共に白いシーツも燃えて消えた。
サスケが千鳥を、そしてナルトも似たような新技を出した時には、さすがに焦った。
もはやこれは”仲間同士”の勝負ではない。
「もうやめてよー!!」
今まで黙って見守っていたサクラがとうとう耐え切れず、二人を止めようと飛び出した。
「サクラちゃん!」
今のサスケもナルトも、熱くなって周りが見えていない。
二人の技の衝突が起これば、駆け寄ったサクラにも少なからず影響が及ぶだろう。
それほどまでに、二人の技のチャクラは膨大だった。
((お願い、間に合って!))
サクラを守る為、リエが風の力を使おうとした
そのとき。