第27章 最悪の再会
何度もイタチに襲い掛かり、あしらうように殴り飛ばされでも、それでもなおサスケの瞳からは殺意が消えない。
「これは…オレの…戦いだ……」
「……いいだろう」
ようやく、イタチがサスケの意を汲んだ。
しかし最初から勝負はついているのは誰の目から見ても明らかである。
それほど二人の力の差は歴然だった。
サスケを止めようとする自来也を、刀を持った男が止める。
彼も相当の使い手なのだろう、自来也といえども迂闊には動けないようだ。
そしてリエも、怒りに震えるナルトの隣で、サスケがイタチにたこ殴りにされるのをただ見ていることしか出来なかった。
「……なんで……」
声にならない声が漏れる。
「兄さん」とイタチの後ろを追いかけていたサスケの笑顔が。
「サスケ」と優しげに微笑むイタチの笑顔が。
こんなときに、嫌に頭に鮮明に浮かぶ。
サスケの怒りに燃える気持ちもわかる。
大切な人を殺されれば、相手を恨むのは仕方がないことだ。
仇討ちが全て悪いとは思わない。
それでも――
二人はお互いを思い合っていた、血の繋がった兄弟なのに。
ぐっと拳を握り締め、リエは涙が零れそうになるのをこらえた。
「お願いだから……もうやめて!」
それはサスケを傷つけるイタチに対して
そして、復讐に生きようとするサスケに対しての、リエの心からの叫びであった。