第26章 暗雲
((自来也様…についてはよく知らないけど、木ノ葉の伝説になるほどすごい人が一緒なんだもの。何があってもナルトくんはきっと大丈夫。
だからサスケ…どうか、イタチを見つけないで))
悪い予感を追い払うように、リエが拳を握りしめた、そのとき。
ドォン…という爆音が聞こえた。
その方角は、先程サスケの背中を見送った方だ。
「まさか……!」
考えられるのは、最悪の事態。
何事かと群がる人を掻き分け、リエは全速力でその場所へと向かった。
二階の一部が破損した宿屋へ飛び込み、二階に駆け上がると、そこにいた全員がリエに視線を向ける。
驚愕の表情をしているナルト
自来也と思われる長い白髪の男
大刀に包帯を巻き黒い衣を身につけた、青い顔をした男
廊下に倒れているサスケ
そして…
「……イタチ……」
背丈や顔つきが大人っぽくはなっているものの、あの頃とほとんど変わっていない彼が、そこにいた。