第26章 暗雲
一楽で得た情報によると、ナルトと木ノ葉の三忍と云われる自来也は、共に宿場町に向かったという。
そこへたどり着いたまでは良かったが、彼らがどこにいるのか検討がつかなかった。
どこかの宿にはいるであろうと、時間短縮の為二人は手分けしてナルトを探すことにした。
別れる前、もしイタチを見つけたらすぐに知らせろ、絶対に手を出すなとサスケに何度も念を押された。
サスケの焦りが、怒りが、ひしひしと伝わってくるようだった。
「すみません。私と同い年くらいの金髪の男の子と、大人の男性がこちらに来ませんでしたか?」
「金髪の子供連れねぇ…今日は見てないな」
「そうですか……ありがとうございました」
宿屋の主人に一礼し、リエは宿を出る。
リエがあたった何件かの宿屋には、イタチはもちろん、ナルトがいる気配もなく、リエは小さくため息を吐いた。
落胆ではない、安堵から出たものだ。
((まだあたってない宿屋はあるけど…もしかしたらナルトくん達は、もうどこかへ移動してしまったのかもしれない))
それが自分の願望だということは、リエ自身もわかりきっていた。
けれど、そう思わずにはいられない。
先程から、嫌な予感しかしないのだ。