第4章 「あの日」
「……なに……なんで……?」
ただ、愕然とした。
うちは一族領地の入り口に張られた立入禁止のテープ。
領地内の壁や道に突き刺さった何本ものクナイ。
そして雨に流されながらもなお残る血の跡が、惨劇を物語っていた。
つい先日まで笑顔と活気に満ちていたその面影は、全くない。
雷が近くに落ちた。
その音と衝撃に、ビクリとリエの体が震える。
心臓が破れそうなくらいにバクバクと鳴っていた。
それはもちろん、雷のせいだけではない。
「イタチ…サスケ……お願い、無事でいて……」
崩れ落ちそうになる身体に力を入れ、リエは走り出す。
大好きな人達と共に暮らした、あの家へ。