第25章 木ノ葉崩し
黒い服に身を包み、リエとサスケは共に家を出た。
空は黒い雲に覆われ、今にも降ってきそうだ。
今日は風も沈黙している。
リエはあれから言葉少なで、そんな彼女にサスケはただ黙って寄り添っていた。
二人を待っていてくれたナルト、サクラと合流し、四人は無言のまま目的地へ向かう。
そう、今日は先の砂との戦闘で命を落とした忍達の追悼式だ。
会場はたくさんの人々で溢れていた。
皆が皆、悲しみに暮れている。
亡くなった忍達の写真が並び、その中央には少し大きめの三代目火影の遺影が置かれていた。
空が、泣き出した。
「このたびの戦闘で命を落とした三代目火影、並びにその犠牲者を弔うための葬儀を行う」
里の上役の言葉と鐘の音を合図に、一人一人、今は亡き彼らへ花を供え始める。
参列者達は皆、三代目の遺影を見つめ、ゆっくりと一礼をした。
その表情は、いずれも悲痛に満ちている。
里の住人ならば、ほとんどの者が三代目との思い出を持っているであろう。
それだけ三代目は里の皆を愛し、そして皆から愛されていた。
リエもまた、犠牲者…いや、里の英雄達に白い菊を一輪供える。
写真の中の三代目を真っ直ぐ見つめ、リエは彼に最後の言葉を送った。
((おじいさま…おじいさまの分まで、私達がこの里を守ります。どうかこれからも、私達を見守っていてください…))