第25章 木ノ葉崩し
「カカシ先生!ガイ先生!」
「リエ、無事だったか」
戦闘の最中にいる二人に駆け寄ると、ちょうど敵を気絶させたばかりのカカシが、リエの無事な姿を見て安心したように笑った。
「幻術にかかるとは思ってなかったけど、サスケを追っていくもんだと思ってたよ」
「シノくんが行ってくれましたし、サスケは大丈夫です。私はサスケ達の分まで、ここで戦います」
「うむ、よく言ったリエよ!それでこそ我が愛弟子だぁ!」
暑苦しいほどの大声でそう言ったのはガイだ。
”ナイスガイポーズ”で歯を光らせるガイの背後では、彼が吹っ飛ばした敵が壁に激突していた。
「いつからリエはお前の弟子になったのよ」
「何を言うカカシ!リエの体術は俺譲りでキレっキレだろーが!」
「ガイ先生には以前、体術の修行をつけてもらっていたんです」
リエが簡単に説明をすると、カカシは細い目を更に細くして、はぁと息をついた。
「……そういうことね」
リエの体術の型はどこかで見たことがあるような気がする…
以前、鈴取り演習でリエの体術を受けたときに感じたそんな違和感が、今になってようやく解消されたカカシだった。
「リエ、俺とガイとのスリーマンセルだ。いけるな?」
そう言われ、リエは気を引き締め直す。
命の危険があっても、カカシはもう昔のように「逃げろ」とは言わない。
それは、今のリエの力を認めてくれているからだ。
「はい!!」
二人の師匠に背中を預けて、リエも襲い来る敵を倒していく。
カカシやガイのように簡単にとはいかなかったが、リエも砂の忍と互角以上に戦えていた。
修行の成果は、ちゃんと身についている。
それが自信に繋がり、更にリエを強くしていた。
「ナルト、サクラ、シカマルの三人を、俺の忍犬をつけてサスケを連れ戻す任務に出した。リエは皆を信じて待っていればいいさ」
言葉に出さないものの、どこかでリエの不安を察したのか、カカシがにこりと笑ってそう教えてくれた。
「……はい!」
自分は今、自分が出来ることを。