第24章 中忍試験〜本選〜
リエが控え室に戻ると、そこにはシノと、テマリ、カンクロウしかいなかった。
ナルトとシカマルは先に戻ったはずなのに、どこへ行ったのだろうか。
「シノくん、ナルトくんとシカマルくんは?」
「オレは知らない。なぜなら、二人はリエのところに行ってからここには戻ってきていないからだ」
そう答えるシノの声からは、少しの苛立ちが感じ取れた。
それはナルト達に対してではなく、今同じ空間にいるシノの対戦相手だったカンクロウが、戦わずして棄権したことに対してのものだろう。
「そっか…二人とも、どうしたんだろうね」
いよいよ、皆が待ちかねたサスケと我愛羅の試合が始まった。
我愛羅への閃光のようなサスケの攻撃が皆の目を引き、観衆がざわつく。
目にも留まらぬスピード。
あまりの速さに、残像でサスケが何人もいるように見える。
そしてその攻撃から身を守るように、我愛羅が砂で守りに入った。
我愛羅を包み込むように、砂の球が出来上がる。
サスケはその隙に、壁に吸着したまま印を結ぶ。
サスケの左手に、バチバチという音と共に雷撃が集まってきた。
これがカカシが、サスケに教えたカカシオリジナル技
”千鳥”
電撃を溜め、肉体活性による高速移動を併用し相手に突進攻撃を行う技である。