第24章 中忍試験〜本選〜
膨大なチャクラを手に集め、電流のように性質変化させなければならない為、この術を使うにはある程度時間がかかる。
一撃必殺の威力を持つがチャクラの消費も大きく、今のサスケでは一日に二発が限度だとカカシに言われていた。
((…こんなチャンスを、逃す手はない!))
この術の唯一の欠点は、自分自身のあまりのスピードに敵のカウンターを見切ることができないということ。
しかし写輪眼を持つサスケの動体視力ならば、それは克服出来る。
そして砂の防御に囲まれて動けない今の我愛羅は
ただの的だ。
時間をかけて充分な電撃をつくりだすと、雷撃から発する千の鳥が鳴くような音と共にサスケは走りだす。
そのまま我愛羅に向かって突進していき…
その大技で、”絶対防御”といわれる我愛羅の砂の殻を突き破った。
その瞬間、彼の戦いぶりに、観客席の誰もがサスケの勝利を期待しただろう。
しかし……
「うわぁぁ!!血がぁ……オレの血がぁ!!!」
我愛羅の悲鳴と共に、何か嫌な予感がリエの中を駆け巡った。
風がざわめいている。
不吉な何かが起こる、予兆の風だ。
砂の殻に左手を突っ込んだままのサスケは、殻の中で攻撃を受けたのか、顔を苦痛に顰めている。
我愛羅の叫びが会場に響く。
必死の思いで殻から出したサスケの腕は、我愛羅の物ではない不気味な何者かの腕に掴まれていた。
((なんだこれは))
サスケは慌ててそれを振りはらう。
こいつはヤバイと、彼の本能が告げた。
砂の殻がゆっくりと崩れていく。
再び姿を見せた我愛羅は、サスケの攻撃を受けた左肩から血を流しながら、すごい形相でサスケを睨みつけた。
そのとき
砂忍が動いた。