第24章 中忍試験〜本選〜
「ナルト、リエ、戻ろうぜ。ここに俺らがいたら試合が始まんねーし」
「あ…先に戻っててくれるかな?我愛羅さんが来るまで、ちょっとサスケと話がしたいんだ」
シカマルが試合のことを考えてせっかくそう言ってくれたのだが、リエがそう答えると
わかった、と、
余計なことは何も言わず、シカマルはサスケに激を飛ばす騒がしいナルトを引っ張ってその場を後にしてくれた。
シカマルの背中を見送ってサスケに向き直ると、彼もリエを真っ直ぐ見つめていた。
緊張を感じさせないその顔を見て、リエはため息をつく。
「…サスケ、なかなか来ないから心配したよ?もう少しで失格になるところだったんだから」
「結局ならなかったんだから、結果オーライだろ」
そう言って彼は不適に笑う。
今から始まる戦いに胸躍らせているのは明白だ。
「調子はどう?」
分かりきっている答えを、わざと聞いてみる。
「最高だ」
自信満々のサスケの言葉は、やはり彼らしくて安心した。
「リエも勝ったんだよな」
「うん、サスケとの修行のおかげだね」
カカシが提案したサスケとの手合わせ修行は、思っていた以上の成果があった。
修行とはいえ、リエに攻撃の手を向けることを渋っていたサスケだったが、手合わせを始めてからは手加減をすることは一切なかった。
本気でやらないと意味がないことをサスケはわかっていたのはもちろんだが、リエの実力もちゃんと認めてくれていたのだ。
二人は競い合い、そして己の力をつけていった。
あの短期間で、ずっと強くなったと自分でも実感出来るほどに。
こうも成長が早く感じるのは競う相手がいるからなのだと、リエは嬉しく思っていた。
そのとき、眼の端にサスケの対戦相手の我愛羅の姿が映った。
ゆっくりと降りてくる彼を見て、リエの頭に入院中のリーの姿が浮かぶ。
「…サスケ、気をつけてね。我愛羅さんのあの砂……上手く言えないけど、すごく強い力を感じるから…」
「心配するな。オレは大丈夫だ」
我愛羅に睨みをきかせると、サスケはリエの手を握りニヤリと笑った。
「必ず勝つ。見ていろ」
その言葉に、にこりと微笑みリエは頷く。
信じよう、サスケを。