第24章 中忍試験〜本選〜
試合はテマリ優勢のように見えたが、
その実シカマルがその頭脳を生かし彼女を動かしていた。
シカマルがうまく伏線を張ってテマリを追い詰め、影真似の術で彼女を捕らえる事に成功した。
誰もがシカマルの勝利を確信した……
のだが。
シカマルがチャクラ切れという理由でギブアップをする。
勝利したテマリ本人は納得のいかない顔をしていたが、
めんどくさいから一試合やりゃいいという彼らしい言に、リエは笑った。
第四試合が終わってもまだサスケは現れず、リエの試合が先に行われることになった。
シカマルと入れ替わるように会場に降りると、観客席のサクラ、いの、チョウジから大きな声援が送られてきた。
彼女達に小さく手を振っているときに、先ほどまでいたはずのヒナタとキバの姿が見えないことに気付いた。
((あれ?どうしたのかな?もしかして、ヒナタ体調が…?大丈夫かな……))
あれだけの怪我を負っていたのだ、本調子ではなかったのであろう。
無理してここに来て体調を崩してしまったのではないかと、客席を見上げてヒナタを心配していると
「試合前に、ずいぶんと余裕があるようですね。それとももう諦めているのですか?」
リエの態度が気に食わなかったのか、対戦相手であるドスが皮肉を込めてそう言ってきた。
「君程度の実力でよくここまで残れたものです。同じチームにサスケくんがいなければ、君はあのとき死んでいたというのに」
その言葉に、死の森で彼らに襲われたときのことを思い出す。
ボロボロに傷付けられたリーとサクラ
そして、あの闇の力を纏ったサスケの姿。
確かに彼の言う通りだ。
自分はあのとき、やられるばかりで何も出来なかった。
だからこそ。
「…私はもう、あのときの私じゃありません」
戦う力を、守る力を
追い求め、今自分に出来る限りのことをしてきた。
「あなたには負けません。絶対に」
巻物を奪う為でも、自分が生き残る為でもなく、ただ相手を傷つけることを楽しむような彼等に
もう、負けるわけにはいかない。