第24章 中忍試験〜本選〜
ナルトの試合が終わり、次はサスケの試合だ。
しかし、まだサスケは現れない。
((あれだけ意気込んでいたのに……もし試合に出れなかったら、サスケ後悔するだろうな。カカシ先生…こんなときまで遅刻しなくてもいいのに))
リエは小さくため息を吐き眉を顰める。
ナルトも心配なようで、そわそわしていた。
観客がざわつき始めた頃、三代目の脇に控えていたライドウがゲンマの元に向かった。
何か伝えているようだ。
「皆様!次の試合の受験者が、現在ここに到着しておりません。よって……この試合は後回しにし、次の試合を先に始めていくことにしました!」
ゲンマの言葉に、リエとナルトは同時にホッと息を吐いた。
しかし最初に、この試験官は時間に間に合わなかったら失格だと言っていた。
これもサスケが、”うちは”の者ならではの特別待遇だと言えよう。
それほどに、うちはの名は大きい。
実際、サスケの戦いを楽しみにしている人も多いだろう。
次の試合はカンクロウ対シノだったがカンクロウが棄権した為、シノの不戦勝となった。
そして次は、シカマル対テマリの試合だ。
テマリはやる気満々に背負っていた扇子を広げ、それに乗って下に行く。
それに対しシカマルは「オレも棄権……」と面倒臭げに呟いていたが
「よっしゃー!シカマル頑張れってばよォ!!」
と、ナルトに思い切り背を叩かれ、シカマルは真っ逆さまに下に落ちていった。
受身も取らずに地面に寝っ転がるシカマルに苦笑しつつも、リエは大きな声で声援を送る。
「なぁに。アンタも降参なワケ!?来ないんならこっちから行くぞ!!」
開始合図も聞かぬまま、テマリはシカマルに襲い掛かる。
大きな扇子を彼に向かって振り下ろすと、ドゴッと扇子が地にめり込み大きな砂埃が起きた。
「中忍なんてのはなれなきゃなれないで、別にいんだけどよ。男が女に負けるわけにゃいかねーしなぁ…。まぁ……やるか!」
クナイ二本でうまく足場を作り、テマリの攻撃を避けたシカマル。
ナルトはともかく、リエの声援を受けてはやるしかあるまいと腹を括ったようだ。